暖かい。寒い。
明るい。暗い。
安心。不安。
認識コードの書き込み速度　良好。
ElectroniC

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error code 110



神経というのは電気信号を使って情報を伝達する。
情報、というのは単数ではなく半自動的に複数だ。
単体で切り分けることが出来ず、無数の刺激が情報という名を与えられている。

視神経を通して描き出される像は、光の刺激に対する神経細胞のオンオフで得ら
れる情報を元に脳が再構築した景色である。
見えるはずのものが見えないとすれば、それは入力か出力かどちらかに不備があ
る、ということになる。存在する「客観的事物」を読み込み時か再生時か、どの
時点かで加工している。

―――ということになるらしい。
　


『暖かい』とも『寒い』とも分からぬコントロールルームで、膨大な記録情報の
中身を検証し、新しくレポートデータを作り、集合に修正を入れる。
無重力の為に浮かんでいるのに、情報の海の中でたゆたう様な不思議な感覚が呼
び起こされる。光の洪水。

しかし、どうしてそのような感想を持つに至ったのか、
それが一体どういう意味合いを持つのか、役に立つのか、

『人間らしい感覚とは何か』
error code 101

「喉が、乾いた」

コントロールルームを出る。
真っ白な船内。
直線的な空間。

パックの中で水が踊る。

「人間とは面倒な生き物だな」

溜息を吐いて、自分の腕をさする。
ひ弱で、破壊的で、争いばかりを欲する人間の腕を。

「そうは思わないか、ヴェーダ」

人類の叡智にして神の知識。
膨大な情報とそれから弾き出される予測に、誤りなど無い。

「そしてその盲信こそが人間の人間たる所以なのだろうか」

答えが出ない事は、考える必要のないことなのだろう。

日々の任務を適切に処理していれば、何れ終わる。
全て、決められており、また不確定でもある、電子のごとく



　

　2010.09.07
　ティエリアぁぁぁぁぁ　俺だぁぁぁぁぁ　結婚してくｒ